最高裁判所第三小法廷 昭和32年(ク)192号 決定 1957年10月08日
熊本県玉名郡三加和村大字野田一一五〇番地
抗告人
八木場正喜
右抗告人は、福岡高等裁判所昭和三二年(ラク)第四二号競落許可決定に対する抗告棄却決定に対する抗告につき、同裁判所が昭和三二年八月九日なした抗告却下の決定に対し、更に抗告の申立をしたので、当裁判所は、裁判官全員の一致で、次のとおり決定する。
主文
本件抗告を却下する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件については、民訴四一九条ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当る。ところが、本件抗告は、名を憲法違反に藉り、原決定の手続違反を主張するにとゞまり(民訴一五九条による訴訟行為の追完も最高裁判所に対する抗告としては主張しえないものと解すべきである)、同条所定の場合に当らないと認められるから、本件抗告を不適法として却下し、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島保 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己)